【拳聖かく語りき~型の意義~】
【拳聖かく語りき】(拳友時報404号より引用)
□型の意義
開祖曰く、
型は重要なり。
型はすべて、仮想の敵との戦いなり。
よって、仮想の敵は虚像なれば常に入れ替わり、また更に強くなって立ち向かってくるなり。
この虚像である敵に勝ち、生き残るために一日も怠らず、己の技術をば、進化させねばならない。
この戦い、わが身果てるまで続き、とどまるを知らず。
ここに、型の持つ空間に向かって仮想の敵を相手に戦うことに意義がある。
常に進化しつづける仮想の相手と戦うことを念じて、修行を積めば、己の型に生命が宿るなり。
これが、他の競技と異なる空手道の本質なり。
「型ひとつ三年」の言葉がある。
ひとつの型を完成させるに年月がかかることなり。
その型も、毎日稽古に励めば、己の性格まで表れることがあるので、正しき型を行うよう、心せよ。
よって、正しい型を行うために、師の言葉に耳を傾け、迷えば基本に立ち戻り、師の研修は進んで受けよ。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥なり。
型といえども、仮想の敵に勝たねばならぬ。
虚像である敵との戦いを心に稽古を続ければ、やがてそれが実像となって現れる。
これが組手である。
ゆえに、組手と型は車の両輪。
型の名手は組手の名手なり。