登龍門
錬心舘のエンブレムは、龍爪に龍珠です。
錬心舘には、龍にまつわるエピソードがたくさんあります。
私が知る限りですが…
1.先代宗家がお亡くなりになった5月31日は、言い伝えによれば、龍が西方の住処へ帰ってゆく、天龍の日。
2.葬儀の日、未曽有の大雨に見舞われたが、出棺の時には、雨が一時止んだ。※ちなみに、歴代天皇の葬儀の際にも、出棺の時には雨が止むとか。
3.世界的に高名なお坊様が総本山を訪れた際、脚を踏み入れた瞬間、とてつもない霊気(龍神?)を感じるとおっしゃっていた。
このように、錬心舘と龍は密接な関係にあります。
「登龍門」という言葉があります。
広辞苑によれば、「困難ではあるが、そこを突破すれば立身出世ができる関門」とあります。
出典は【三秦記】の
「河津一名龍門、水險不通、魚鼈之屬莫能上、江海大魚薄集龍門下數千、不得上、上則為龍也」
からきています。
読み方は、
「河津(かしん)、一名龍門、水險(けわ)しく通ぜず、魚鼈(ぎょべつ)の屬(たぐい)能(よ)く上(のぼ)るもの莫(な)し、江海の大魚龍門の下に薄(せま)り集(つど)うもの數千、上るを得ず、上れば則(すなわ)ち龍と為(な)る。」
意味は、
「河津はその名を龍門とも言い、凄まじい急流で、魚やすっぽんのたぐいでそこを登る事ができるものはない。
川や海の大魚が数千匹もこの龍門の下に群がって来るが、登りきれるものはなく、もし登りきれるものがあったならば、その魚は変じて龍となる」
(語注)
○魚鼈:魚とすっぽん。魚類のこと。
○薄:迫る。
伝説によれば、中国の黄河には、それはそれは大きな鯉がたくさんいるという。
春の日に、その大鯉は、龍に化身するべく上流の龍門滝をめざす。
見事に遡上を達成した鯉が、龍に天昇したという話。