宗家インタビュー⑥「百年先を思いては人を育てる」
月刊誌『致知』(致知出版社、2016年8月号)に、錬心舘総本山宗家 保 巖 先生のインタビュー記事「百年先を思いては人を育てる」が掲載されておりましたので、ご紹介させていただきます。
≪人間形成の空手道場として、世界23ケ国に広がっている少林寺流空手道錬心舘。
その起源はいまから61年前、鹿児島のたった6坪の道場に3名の高校生を迎えてのスタートだった。
父親である開祖の思いを受け継ぎ、今日の発展を築いた第二代宗家保巖氏に、いかにして一道を切り拓いてきたかについて伺った。≫
■武道で人づくりをし、荒廃した人心を再興したい
記者:満足することは最大の敵?
宗家:日本空手界に挑戦する父の背中の力強さに、少年期は勇気を学び、青年、壮年になってもなお、後ろ姿の無言の教えに学ぶ毎日でした。
時折、こちらに正面した時は、決まって正座をして5、6時間の説教です。
怠慢や驕りを木端微塵に叩き、迷いを覚醒し、折々の成長の節目となりました。
人を叱るときには涙とともに、その人の人生のために叱ることも学びました。
後ろ姿に説く無言の崇高さは、私のみならず、門下にも自省と自律を促し、心技に最高の理想を追求する拳学拳行の道を与えております。
(続く)