拳友時報445号「シリーズ・宗家に聴く(壱)」~組手には人命尊重の「道」が必要~②
拳友時報445号「シリーズ・宗家に聴く(壱)」~組手には人命尊重の「道」が必要~
□心を練る。錬心舘の空手道。
宗家)空手は武術である以上、半善半悪の側面があります。
その悪を取り除くために必要となるのが「道」。
道とは善に対する行いとか、道徳心のようなものを思い浮かべていただければ宜しいかと思います。
子供たちにわかりやすく教えるとするなら「良き心」と言えば伝わりやすいかもしれないですね。
仮に、子供の頃から強くなりたい一心で殴り合いの稽古だけを積んでいたとしたらどうなるでしょう。
相手に危害を加えることも臆することなく、弱い者は力で屈服させ、気に入らない者には暴力をふるう。
強い子に…、という親心とは裏腹に、やがてその子の拳は両親に向けられるかもしれません。
強い子というのは、相手に負けない子である前に、自分自身に負けない子であることが本質だと思います。
身体も心も発達途中である少年期には、型や約束組手の鍛錬を重ね、錬心舘の技と心を受け入れるだけの器づくりに汗して欲しいと思います。
錬心舘は空手だけを教える格闘集団ではなく、生涯において空手を追求する正義の拳団であることを分かって欲しいですし、指導者にもそのように導いて欲しいと願うのです。