錬心舘空手道とは(鹿児島東ロータリークラブ講演)
【錬心舘空手道とは】
※広島地区本部のHPより引用させていただきました。第2代宗家の講演より。
http://ww4.tiki.ne.jp/~hiro-renshin/souke1.HTML
私は父の創始した少林寺流空手道を受け継いで、正しい空手観を普及するために頑張っています。
年を重ねれば重ねるほど、この流儀を全国に広めた父の強い意志と偉大さを、より強く感ずるようになりました。
父の力が根となって、私という樹がある。
19歳の頃のことです。
私は父の意をうけて、青雲の志を抱き、単身、フィリピンの土を踏みました。
しかし理想と現実は大違い。
私は言葉の壁に苦しみ、肝心の指導も思うにまかせず、悶々とした日々を送っていました。
父からの便りを受け取ったのは、そんなある日のことです。
「空港には見送りに行かなかったが、道場の屋上で日の丸の旗を振ったのを、見ていてくれただろうか?
古今東西、人種職業の別なく、人は等しく、哀別離苦の悲しみを味わうものだ。
異郷の地で一人、辛いだろうが頑強りたまえ。
勇躍せよ、突破せよ、汝男なればなり。」
この手紙が私の心の支えとなり、空手道一筋に邁進するその後の人生を決定したように思います。
「却下照顧」。
自分の足許を照らせといういう仏教の言葉です。
私は幼稚園児の指導をする時に、礼を受けながら、
私自信必ず「お願いします」
「ありがとうございました」
、と心の中で唱えるようにしています。
投げた石が誰かに当ったとします。
それを手元に返すすべはありません。
口から出た言葉もこれと同じです。
二度と口の中へ戻すことはでません。
私の口から出る言葉は絶対に、子供達を傷つけるものであってはならない。
どんな場合でも子供達を励まし、勇気を与えるような言葉でなければならない。
普段の指導で常に念じていることです。
子供達を輝かすためにも、自分自身がいつも輝いていなければならない。
鉄は自らの錆によって朽ちる。
平家は平氏で滅び、鎌倉は源氏で滅びました。
自らの内に潜む最大の敵と戦い、人間の持つ弱さを克服してゆきたい。
それが私の修行です。
(鹿児島東ロータリークラブ)