「容(かた)」~生きた空手型を目指して~
【平成10年に開催された開祖宗家先生講話会~型について~】
空手界では、昔から「型」と書くか、それとも「形」と書くかでけんけんがくがく論争してきたが、どちらの字を当てるにせよ、それは、固定化して形骸化された、魂のない型である。
「容」と書いてみたまえ。(黒板に大書させて)
この「容」という字を、かたと読ませることもできる。
威容。美容。包容。容姿。容貌。容積。
すがた、かたち、居ずまい、たたずまい。
そうした意味もあれば、容(い)れる、つまり色んな物を入れる器の意味もある。
「容」は、実に豊かな意味を包蔵する、生きた文字である。
空手の型が持っているさまざまな理念を、その特性や可能性を、一字でこれほど的確に言い表せる文字は他にあるまい。
武道家に自ずと備わる徳と威容。
そして、型を千錬万鍛するなら、その容姿は必ずや端正なものとなる。
おわかりだね。
「容」の字にふさわしい、生きた型をすること。
そして、我々は錬心舘ならではの特技・演武にもっと磨きをかけ、更に工夫して、その芸術性を高めていかなければならない…