習い事のいわゆるバックレ=逃げ癖について考える
≪習い事のいわゆるバックレ=逃げ癖について考える≫
◆空手道をはじめとして、剣道・柔道・合気道、球技など団体競技でも、子供に習い事をさせようか?と考えていらっしゃる保護者の皆様、いま現在、子供に習い事をさせている、という方にも共通して出てくるであろう悩み、「はたして、うちの子供は本当にこれから(もしくは今でも)この習い事に対してやる気があるのだろうか?続けられるのだろうか?」という問題に対する一つの考えを提案してみたいと思います。
□苦痛を取り除くのか?、それとも困難から目を背けさせるのか?…
■子供のやる気があるのか?ないのか?を判断するのは、指導者にとっても保護者にとっても、非常に繊細かつ難解な問題であることだと思います。
たとえば、
① 見た目は明らかにやる気を失っている子供がいたとしても、それが怠惰な気持ちから出たやる気の減退なのか?
② 自分に合わない習い事を継続させられていることによる強烈な苦痛から出ているのか?
③ スランプや伸び悩みなどの“壁”に直面していて、そこから逃げたいがための逃避なのか?
④論外ですが、保護者の勝手による不登校、例えば送り迎えが面倒だ…、月謝の滞納…等々。
※この件に関しては、保護者自身が自らを正す以外に道はありません。
実にさまざまな理由が出てきます。
私は、基本的に「“なにごとも”続けさせた方がいい」と提言しておきたいと思います。
“なにごとも”とは、子供時期における情操教育は、将来において、友達関係、学校関係、地域関係、仕事関係、色々な社会関係の基礎となる比重が非常に高いからと考えます。
稽古に対して強烈な苦痛がある…、という場合は、子供さんからもその旨の主張があることが多いですし、そうしたパターンはそもそもやる気を持って習い事をする期間があまりに短いのが特徴的です。
こうしたパターンの時は、やめさせても良いかもしれません。
しかし、ある時までやる気を持って稽古に打ち込んでいたのに、ある時期からパタっとやる気が失せてしまった、などの場合は、まさに「続けさせた方がいい」場合の典型だと考えられます。
これはスランプなどへの対処法と一緒で、子供の心情を考慮しつつも、辛抱強く保護者がお子さんを支え続けていく重要な局面だと言えます。
「今は辛いかもしれないけれど、どうしたらいいか一緒に考えて乗り越えていこう」と、自分たちは子供を支えるつもりでいる、と子供に伝え、困難をクリアしていくことが重要であると思います。
逆に、ここでその習い事を止めさせてしまうと、子供にいわゆる「逃げ癖」をつけさせてしまい、後々さまざまなことに対して壁に突き当たった際、乗り越えることが出来なくなってしまうのではないでしょうか?
・学校→いじめられたから行かない。
・アルバイト→店長に注意されたから辞める。
・恋愛→フラれたから恋愛恐怖症になる。
・就職→不採用を社会のせいにして引きこもる。
子どもの「バックレ=逃げ癖」は、現代社会における典型的な病理です。
それを防ぐのは、保護者&指導者の良心的な導き以外の何物でもないような気がします。
もう一度考えてみましょう。