寸暇を惜しんで錬磨に努めること
空手の指導を続ける中で、入門者の中には、修練するにふさわしい条件が整っている人と、悪条件の中で入門してくる人との、両者がいらっしゃいます。
しかし、必ずしも好条件の人が継続出来でいるわけではありません。
むしろ、本当にものにする人は、悪条件を乗り越えて稽古に参加する人の方が、伸びてゆく傾向にあります。
ときおり、せっかく入門しても、稽古を休みがちな人を見かけます。
それは簡単に習得出来るのでは?と気軽な気持ちで入って来たものの、いざやってみると稽古のストイックさについて行けないのが原因のような気がします。
実は、時間が自由である人は、大抵ぼんやりと稽古してしまいがちであり、大事なポイントに気づかないことが多くて、
反対に時間に余裕のない中で稽古に励む人は、本質の大切さを良く知っていて、時間使いが上手であるばかりでなく、
心身が程良く緊張して、熱意があるため、大事なポイントを見逃しません。
時間が十分ありながら、準備体操が終わった頃に道場へ到着するような生徒は、良くみていると上達しないばかりでなく、
稽古を休むようになる人がほとんどのようです。
稽古に早く来て、余った時間を研究・鍛練に使うなど、時間を活かして工夫・試行錯誤する人は、日待たずして上達することは間違いありません。
寸暇を惜しむようにして何事にもチャレンジするくせをつける事は、機敏さを増し、時間を自分の為に活用することがますます上手になります。
時間の大切さを実感することは、すべてにおいて成功へのメルクマールです。
“宗家訓、三日の汗しか流さない者に、三年の汗の量はわからない。三年の汗は三十年の汗に遠く及ばない。”