宗家インタビュー④「百年先を思いては人を育てる」
月刊誌『致知』(致知出版社、2016年8月号)に、錬心舘総本山宗家 保 巖 先生のインタビュー記事「百年先を思いては人を育てる」が掲載されておりましたので、ご紹介させていただきます。
≪人間形成の空手道場として、世界23ケ国に広がっている少林寺流空手道錬心舘。
その起源はいまから61年前、鹿児島のたった6坪の道場に3名の高校生を迎えてのスタートだった。
父親である開祖の思いを受け継ぎ、今日の発展を築いた第二代宗家保巖氏に、いかにして一道を切り拓いてきたかについて伺った。≫
■武道で人づくりをし、荒廃した人心を再興したい
記者:錬心舘をつくられた時、保さんはまだ7歳ですよね。
宗家:はい。錬心舘道場の小さな看板を家族の見守る中で、父が掲げました。
その時に、「父ちゃんのこの空手を日本全国に広げるぞ!」と言ったのです。
まだ、1人も門下生がいないのに。
その言葉がまさに現実になってゆきましたから、人間の意志の力の偉大さというものをつくづく感じますね。
いまとなってみれば、人が覚悟と決意を持って歩みだすことがどんなに素晴らしいことなのか。
ひとりの人間の思いの強さは、世界を動かすことができるのだなと、私は父の姿に心から感動を覚えるのです。
錬心舘創世記の父と母は、ワーズワースの「暮らし低くとも、想いは高く」の言葉をこよなく愛し、苦難の日々と闘いました。
清貧に胸を張った父と母は、私たち家族の心を温め、今日の錬心舘を築いたと言っても過言ではないですね。
(続く)